工作記

バスレフフルレンジスピーカー

知人の方からスピーカーのユニットをもらったのでフルレンジのスピーカーを作ってみました.


構成と設計思想

とにかく初めての制作なのでシンプルにつくることを考えました.気室内には仕切りなどはつけず,ユニットとバスレフの穴のみにして完成までの時間を短く完成後にいじりやすいようにしています.実際調べてみると吸音材等音に大きく影響する箇所をいろいろ試しながら作っている方がたくさん見受けられました.多くのスピーカーは全面から見て縦長の長方形タイプが多いですが,収納スペースの都合からほぼ立方体のエンクロージャーになりました.


材料や加工について

使用したユニットは209-8Aで,直径200mmほどのユニットです.エンクロージャーは厚み12mmのMDF材,バスレフにはVU50の塩ビパイプを用いてます.ユニットと吸音材以外はすべて東急ハンズで購入できるもので,穴の加工やカットもすべて依頼しました.材料費と加工費合わせて一万五千円程度です.
エンクロージャー制作ではそこそこの大きさの穴を開ける必要があります.道具さえあれば個人でもできるものではありますが,時間の節約と出来栄えを考えると依頼してしまうのが良いと思います.


制作

制作は加工さえ終わっていれば木材をボンドで張り合わせていくだけの作業しかないため簡単です.簡単ですが,音質に非常大きく影響しますので丁寧に行います.

ボンドをつけて木材同士を張り合わせたあとに「ハタガネ」という道具を使って圧着させ隙間ができないようにします.「たっぷりボンドで隙間を作らない」ことを意識すれば良いでしょう.溢れ出たボンドは濡れた布巾で拭きましょう.私が使ったボンドはTiteBondというもので,出のキレがよく,扱いやすいです.が,正直このサイズはいりませんでした.8割以上余っています.

木材の貼り付けが終わったら,ターミナルと吸音材を取り付けます.吸音材はフェルト製のものを使い,対面で被らないように3箇所に貼りました.ターミナル端子と吸音材が接触しないように,あらかじめ切り抜いておきます.


完成後の感想

さっそく音出しをしてみると,適当設計にかかわらずしっかり低音が出てくれました.箱の大きさは300*300*250なのに対しバスレフの穴は直径60mm,長さ60mmです.ユニットの最低共振周波数は80Hzでエンクロージャーの共振周波数(fd?)を70Hz程度に設計しています.
吸音材は当初背面側に1枚のみ取り付けていましたが,試聴すると高音成分が強くキンキンした音になりとても聞き疲れました.バスレフ型は吸音材の効果が顕著に現れやすいという話を聴き3箇所に増やしたところ,確かに高音成分が抑えられて全体のバランスが良くなり非常に聞きやすくなりました.吸音材に関しては明確な答えが無いらしくこればかりは試してみないとわからないという意見が多く見られたため,今後もいろいろ試してみる予定です.(2018/12/27)